タイルの中でも、当工房では、スペインタイル制作の技法を主に取り扱っております。
スペインはヨーロッパ中でも、イスラム文化の影響が色濃い所です。
八世紀に北アフリカに住んでいたムーア人がイベリア半島へ入りイスラム文化を伝えたことで、スペインのマラガでタイルの生産がさかんに行われるようになりました。
クエルダ・セカタイルは、十五世紀後半にスペインで広まった技法です。まず、イスラムからもたらされたのはモザイクタイル(※)でしたが、モザイクの様な仕上がりのクエルダ・セカタイルが、手間のかかるモザイクタイルに変わり広まっていきました。
初期イスラムの戒律は、神を擬人化して描いてはいけなかったため、抽象的な模様で神を表現する探求がされ、様々な幾何学模様が生み出されました。
※モザイクタイル・・・様々な一色の釉薬がかかったタイルを型どおりにカットしてそれを組み合わせて文様を描く技法。
マヨルカタイルは、現在スペインで多く生産されているタイルです。元々は青1色や黒と緑の2色で絵付けされていましたが、しだいに色鮮やかになりました。描き方は水彩画とよく似ていて、素焼きのタイルや陶器にまず白い釉薬をかけて下地とします。出来た白い画面に顔料(絵の具)で絵や文字を描いていきます。